7月始め、2015年モデルとしてTREKのEMONDA(エモンダ)が発表されました。現在のMADONEに代わる新機種です。
EMONDA SLR10の完成車重量は4.65㎏(ペダルなし)。実業団レースで走るための6.8㎏をはるかに下回る軽さです。6.8㎏のルールが提要されるレースで走るためには、2㎏もの錘をつけなければなりません。
CANNONDALEのSUPERSIX EVOが発表された数年前、いかに軽いフレームを作るか、という流れがありました。その後、軽さが限界に近づき、開発の方向性が軽量からエアロへと変わっていきます。MADONEは、軽さに加えてエアロ形状を取り入れた、高バランスなフレームとして当時注目を集めました。ごく最近でもFUJI TRANSONIC、LAPIERRE AIRCODE、FELT AR FRDなどが発表され、エアロロードの流れは続いているように思います。超軽量なEMONDAは、この流れに逆らっているように感じます。
TREKが目指したものは〝乗って楽しいフレーム”だそうです。「性能や強度を落とさず、ギリギリまで軽くしたフレーム=乗って楽しい」というのが、EMONDAの開発理念としてあります。しかしながら、依然として6.8㎏の規定ある以上、実業団やプロで走るならば、あえて重いパーツを選ばなければならず、EMONDAの本来の性能を引き下げてしまいます。重さを気にせずパーツを選択できる、というメリットはあると思いますが、おかしな話、このTREKのハイエンドモデルを真に味わえるのは、車重を気にしなくてもいいホビーレーサーなのではないでしょうか。
今月末に試乗できる機会あります。実際に乗って感じたことをまた書きたいと思います。
松木
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